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BBPARK専門家インタビュー:石井毅氏が語るアマチュア野球の未来

本記事では、元プロ野球選手であり、NPO法人和歌山野球振興協会の代表として青少年育成と野球指導に尽力されている石井毅氏に、野球への想い、現場の課題、そして未来への展望についてお話を伺いました。

アマチュア野球が抱える「光と影」をどう乗り越え、次世代にどのような価値を届けていくのか。石井氏の視点から見えるリアルな声をお届けします。

目次

Q1. 自己紹介をお願いします。

A. 私は箕島高校を卒業後、住友金属、そして西武ライオンズでプレーしました。現在は和歌山に戻り、NPO法人和歌山野球振興協会を立ち上げ、青少年の健全育成や野球指導を行っています。和歌山では少年野球の指導のほか、関西独立リーグの紀州レンジャーズを立ち上げ、5年間監督や代表を務めてきました。

Q2. 野球やスポーツを通して、最も大切にしている信念や考え方は何でしょうか?

A. 子どもの指導に関しては、野球はもちろんのこと、人間としての常識や、社会に出ても通用する人材を育てたいというのが大きな信念です。高校野球に進む際も、どこで野球をするかなど、その子に合った場所を一緒に話し合って決めていきたいと考えています。

Q3. ご自身の指導や活動に大きな影響を与えた出来事や人物はいますか?

A. プロ野球選手となったDeNAベイスターズの中川虎大選手は、中学時代に一度野球を辞めていましたが、私たちのクラブで再び野球を始め、箕島高校を経てプロに進みました。一度やめた選手が復活してプロに進んだことは、私にとって大きな喜びでした。
また、箕島高校の尾藤監督、住友金属の松永監督・山中監督、西武の広岡監督・森監督といった5人の「日本一」の監督から指導を受けました。彼らから学んだ基本に忠実な野球や、広岡達朗監督の「勝つ野球」という考え方は、今も私に大きな影響を与えています。

Q4. 現場で感じるアマチュア野球の課題はどんな点にありますか?

A. 小学生や中学生は皆一生懸命ですが、日本のアマチュア野球には様々な組織がありすぎ、指導や考え方が統一されていない点が大きな課題だと感じています。また、和歌山の子どもたちが県内ではなく県外の高校へ進学するケースが多いのも現状です。
これは子どもの希望だけでなく、チーム事情や指導者の影響力も関係しており、本来は地域内で頑張って野球を続けてもらうのが理想だと感じています。

Q5. 特に改善が必要だと思う仕組みや環境について教えてください。

A. 高校野球では甲子園を目指すという目標は明確ですが、実際に目指せる高校とそうでない高校が存在します。
選手を伸ばすためには指導者や学校の環境が重要ですが、そこに入学するまでが「チーム事情」や「人脈」に左右されるのが現状です。
何百人も部員がいる高校もあれば、10人を切って合同チームでなければならないチームもあります。部員が多い学校では試合に出られない選手も出てくるなど、このような環境の差が今後のアマチュア野球の大きな課題だと感じています。

Q6. ご専門の立場から「育成や成長に役立つ最新の知見」を一つご紹介ください。

A. 昔と変わらず、毎日の積み重ねが重要です。インターネット上には様々なトレーニングや練習方法の情報がありますが、私は「体作り」が一番大切だと考えています。
体作りのためには食事の知識や実践が不可欠ですが、これもネットの情報を鵜呑みにせず、指導者と相談しながら取り入れることが必要です。
例えば、大谷選手がやっていることが全ての子どもに合っているわけではありません。成長段階ごとに適切な方法を選ぶことが大切です。

Q7. 相談対応の中で「これを知っていれば救われる」と感じた事例はありますか?

A. 親御さんは、子どもの成長のために食事とトレーニング環境の両方を整えることが最も重要だと考えています。
ただし、ネットの情報を全て鵜呑みにせず、指導者と方針を共有しながら進めていくことが大切です。
親が子どもの前で指導者と異なることを言ってしまうと、子どもは混乱し、練習中に戸惑ってしまいます。
だからこそ、親と指導者が指導方針について共通理解を持つことが重要だと強く感じています。

Q8. BBPARKのセカンドオピニオンサービスに期待することは何でしょうか?

A. チームに所属している以上、指導者や代表の言うことを聞かざるを得ない場面はあります。しかし、本当に子どもにとって何が良いのか迷った際に、第三者として相談に乗って解決に導く役割を果たしていただきたいと思います。

Q9. 印象に残っている選手・保護者とのエピソードや、成果が出た相談事例はありますか?

A. 中学生の頃から明確な目標を持っていた選手たちが印象に残っています。
例えば、「智弁和歌山に進学したい」という目標を持つ選手とは、必要な練習内容やトレーニングを一緒に考えました。
また、龍谷大平安高校に進学予定だった選手が、レギュラーを目指して肘の手術を決断し、半年間リハビリとトレーニングに励んだ姿も記憶に残っています。この選手は現在、千葉ロッテマリーンズで活躍している西川史礁選手です。

Q10. 今後取り組みたい活動や挑戦したいテーマについて教えてください。

A. これまでの経験や知識を活かして、悩みを抱える子どもたちや保護者に役立つ回答をしていきたいです。今後は合宿や交流イベントなどを通じて、自身の経験を伝えながらサポートしていきたいと考えています。

Q11. 今後BBPARKを通じて、どのような活動や発信をしていきたいですか?

A. まずは野球を好きになってもらうことが一番です。

野球を本格的に目指す選手には、計画を立て、一つひとつ目標をクリアしていくプロセスを支援したいと思います。

Q12. どんな方に「セカンドオピニオン」を活用してほしいですか?

A. 指導者やチーム方針との間で意見が合わない場合や、子どもにとって最善の道を迷っている保護者や選手にぜひ活用してほしいです。

Q13. 最後に、選手・保護者・指導者の皆さんへ伝えたいメッセージをお願いします。

A. 野球は素晴らしいスポーツです。まずは野球を心から楽しみ、好きになってください。そして、目標を持つ選手には、計画を立てて一つひとつの目標を達成することで自分の可能性を広げてほしいです。悩みを一人で抱え込まず、専門家を積極的に活用しながら、より良い野球人生を歩んでください。

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