
坂元 美子(さかもと・よしこ)
神戸女子大学 健康福祉学部 健康スポーツ栄養学科 准教授/管理栄養士。
NPO法人 日本スポーツコーチ&トレーナー協会 理事長。
病院研究室勤務、プロ野球(オリックス)での栄養サポートを経て、現在は育成年代の教育・スポーツ現場で「栄養・指導・教育」を一体で支える活動を展開している。
■情報があふれる時代だからこそ、“一人で悩まない”選択を
――ここまで3回にわたってお話を伺ってきましたが、BBPARKが掲げる「セカンドオピニオン」という考え方について、どう感じられますか?
とても共感しています。いまの時代は、情報があふれすぎているんです。“いいと言われている方法”も、“誰かの成功体験”も、すぐに見つかる。でも、それが自分の子どもに本当に合うのか、そこは誰も教えてくれません。
たとえば、食事の量やサプリメントの摂取、トレーニング方法。どれも一見正しく見えても、子どもの年齢・性別・体質・心の状態によって最適解は違います。だからこそ、「今のやり方、ちょっと違うかもしれない」と感じたときに、相談できる場所があることがとても大切なんです。

■「誰も悪くない」──行き違う現場の中で
私は現場で保護者の方や指導者の方とお話ししていて、“誰も悪くないのに、すれ違ってしまう”瞬間を何度も見てきました。
保護者は「子どものために」と必死で頑張る。指導者は「チームを強くしたい」と真剣に取り組む。でも、その想いの方向が少しずれるだけで、子どもが「自分は責められている」と感じてしまったり、みんな頑張っているのになかなか結果につながらない・・・。ということがおこってしまいます
だから私はいつも、「支える人を、支える仕組み」が必要だと思っています。セカンドオピニオンとは、まさにその一歩なんです。

■食育にも“セカンドオピニオン”を
食の世界も、医療やスポーツと同じです。「何を食べればいいか」よりも大切なのは、「なぜそれを選ぶのか」を体で感じることができるようになること。
熱が出たら、体が熱く感じて、「今日は体調が悪いな」と感じることができるように、「今食べたい」と思ったものが、体内で不足している栄養素を摂ることができる食品になるのが理想です。
たとえば、太れない子や食べられない子に対して、「もっと食べなさい!」と責めても逆効果です。大事なのは、その背景を理解してあげること。そこに“相談できる誰か”がいるだけで、親御さんの気持ちはずいぶん楽になります。
食育にも、セカンドオピニオンの考え方を取り入れたいんです。「わからない」「不安だ」と思ったときに、気軽に聞ける環境があることで、食が“怖いもの”ではなく“前向きなもの”に変わります。

■BBPARKが果たせる役割
――BBPARKの活動に期待されることはありますか?
BBPARKの取り組みは、まさにその“架け橋”になると思います。野球というスポーツを通して、選手、保護者、指導者がつながる。その中に専門家が入り、知識を補い、安心を届ける。まさにセカンドオピニオンの形です。
「相談できる場所がある」──それだけで、どれほど多くの人が救われるか。選手も、保護者も、指導者も、孤立しなくて済むんです。

■未来に向けて──“支える人を、支える文化”を
私がずっと大事にしている言葉があります。それは「相乗効果」という言葉です。
子どもを支えている大人たちが疲れてしまったら、その影響は必ず子どもに伝わります。逆に、お互いに持てる力を発揮しあえたら2倍になるのではなく2乗になって結果に表れます。だからこそ、支える大人たちにも安心して相談できる場が必要なんです。
BBPARKのように、選手や保護者、指導者が気軽にアクセスできる仕組みが広がっていけば、“相乗効果が生まれる文化”が広がると思います。
食も、スポーツも、教育も、全部つながっています。誰かが一人で抱えこまなくてもいい。そう思える社会を、一緒に作っていけたら嬉しいです。

■編集後記(BBPARK編集部より)
坂元先生の語る“セカンドオピニオン”は、単なる「もう一人の専門家の意見」ではない。それは、不安を共有し、安心を取り戻す文化のことだと感じました。
誰かが「ちょっと相談したい」と思ったときに、その声を受け止める場所がある。その優しさが、子どもたちを強くする。
BBPARKは、これからもその“優しい循環”を広げていきたいと考えてます!
